恩智越・立原道を歩く #2

10年ものブランクを経て足を踏み入れるも、当時とはすっかり様相が変わってしまっており、失われた道や急な斜面を相手に苦戦を強いられた『立原道』。いつしかその先には青空が見え始め…

(『恩智越・立原道を歩く #1』より)

 

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どこまでも高く広がる空。

たどり着いたのは、さっきまでの谷間が嘘だったかのような場所。ただただ穏やかな時間が流れていました。

 

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深い緑に包まれた小さな池。ここが立原道の名前のルーツとなった『立原池』です。

このあたり、山麓から尾根にかけてはたくさんの登山道が存在しますが、立原池の横を通るこの道はかなり古く、江戸時代の頃から続く古道だとか。

 

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この日のカメラはフジのX-T20とXF23mmF2の組み合わせ。どうしてもこういった場所では雰囲気が伝わりづらいので、やっぱり広角レンズもあったらよかったなあ…と苦笑い。

なお、嘘をついても仕方ないので先に言っておくと、この3枚は池の周りを囲む柵を乗り越えて撮影しています。もちろんそれ以上の危険行為と思われることは控えていますが、くれぐれも自己責任で!

 

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立原池に着いた時点で道はほぼ平坦となり、あとはぬかるみに注意して歩みを進めるのみ。

 

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振り返れば、知らないうちにくぐったと思われる高圧線。きっと市街地からも見えているはずです。

 

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背後から差し込む陽の光が木々を照らします。

 

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先ほどまで散々に悩まされた山が眼下に。ここまで来れば心も穏やかなものです(笑)。

 

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ふたたび姿を現した人工物。その先にあったのは…

 

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道路、でした。

そしてこの道は近畿自然歩道の一部ともなっています。でも10年前は確か『おおさか環状自然歩道』という名前だったような気が。そもそもここにこんな看板ってあったっけ…?(曲がり角なのでおそらく前からあるはず)

 

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当時は永遠に続くかと思われた山道の果てにこんな道路が現れて、あっけにとられてしまったのを覚えています。

で、しばらく立ちすくんだ後に変な場所に迷い込んではいけないと思い、来た道をそのまま引き返していきました(笑)。2回目のときはこの写真の反対方向に進んで後に知る朝護孫子寺の近くまで行くも、あまりにも下り坂が続くので結局引き返し。本当は高安山に行きたかったのですが…

ちなみに、この柵に囲まれた施設は柏原市営の火葬場。このあたりはこの道路が八尾市と柏原市の市境となっています。

 

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左奥が先ほどまで歩いてきた立原道。ここで道は終わりますが、ここから高安山に向かうために右斜め上へと向かう道へ入ります。

久しぶりの登山にあえてこの道を選んだのは、当時を思い偲びながら歩きたいという思いでした。結果としてはそれどころではなくまんまと裏切られることに(笑)。

 

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くねくねと曲がりながらも続く細い道。

ときどき唐突に現れる人工物にはいつもびっくりさせられます。まるで不時着した宇宙船が放置されているよう。このあたりはあまり変わっていませんね。

 

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一見、どこが道なのか若干分かりにくいですが、左側に見えるわずかな切れ込みがそれ。こういったところでは足元に注意が必要。

 

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少しずつ視界が開けていきます。山の上にも関わらず鉄塔が多いのはすぐ近くに変電所(信貴変電所)があるため。奥に横たわる山は大阪府下の最高峰、金剛山です。

この近畿自然歩道も一旦山を下りて大和川を渡ったあと、ふたたび山を上って金剛山、そして大阪と和歌山を隔てる山々へと道をつなげていきます。

 

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ふいに現れる分かれ道。

高安山方面へ行くには右へと進むのが正解。左側の道は確か恩智神社の裏手にある恩智惣池から谷間を経て尾根伝いに登る道だったはず。10年前の記憶なので信用はできませんが…

 

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しばらく進むと急な下り坂へと変わり、ここでいきなり三方向へ道が分かれます。まっすぐ進むと自転車を止めたあの広場に、右に曲がってまっすぐ進むと先ほどの道路に出て朝護孫子寺方面へ。そして、曲がった直後にある階段を上っていくと高安山、そして生駒山方面へと道がつながっています。あまりにも何度も登りすぎて今でもしっかり覚えてます(笑)。

 

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ただ、この高井田駅へ向かう道の方向がちょっと謎。もしかしたらこっちが本道で、私はどこかで外れていたのかもしれません。そうなるとあの分かれ道は…

 

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先ほどの階段を上り、さらに上へと向かっていくと明らかに周りの景観から浮いている変わった人工物が現れます。

それに寄り添うように立つらせん階段を上っていくと…

 

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そうです。展望台でした。

ただ、10年前に初めて上った時と比べると明らかに風化が進んでおり、おそらく崩壊することはないにしても複雑な思いを抱かずにはいられません。その上の空をいつもと同じように水平移動していく飛行機。

 

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ここから大阪の街並みをわずかに見下ろすことができても、市街地からこの展望台を確認するのはほぼ不可能。これからもほとんどの人にその存在を知られることなく、静かに朽ちていくのでしょう。

 

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奥には先ほども見えた金剛山

 

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さらに視点を移動させると、奈良の山々をも遠くに見渡すことができます。この下は一面が霊園となっていることもあり、どこか神聖な空気を肌で感じます。

 

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展望台を下りて一路高安山へ。

途中で胸の高さぐらいの笹薮が道を塞いでいるもなんとか通過。そして墓地の脇を通る道でこの張り紙を見つけました。信貴山高安山イノブタがいるというのは地元民にとっては知れた話であるものの、それも去年からここの墓地では被害が拡大しているという。やはり台風の影響はいろんなところに出ているようです。

 

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気を引き締めつつ、ところどころで下界が見える山道をさらに進んでいきます。これぐらいの高さになると『下界』という表現がしっくりきますね。

 

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ただ、気がかりなのがこの暗さ。

立原道で思っていた以上に手こずり、さらに10年前と同じ所要時間を見積もって遅めに登り始めたこともあり、この時点ですでに時計の針は7時を回っていました。さすがに帰りは広い道で下りるつもりではあったものの、心配なのがやはりイノブタ。そんな不安を抱きながらも、目前に迫る高安山へと歩みを進めていました。

 

#3につづきます。